本の記録
読書感想文。
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松尾スズキのやさしい野蛮人入門1・2・3
09月 14日 * 12:49 * 松尾 スズキ *
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(転載)

私は松尾さんのエッセイが大好きです。
こんなにおもしろいエッセイを書く人は他にあまり知りません。

ただただぼやいてるだけのWeb日記を本にした「ギリギリデイズ 」という本があります。
本当に日記なんだけれど、それがすごく面白い。
こんなに素(に近い)ボヤキが面白い人、他に知らない。
なんで私が松尾さんが好きなのか、すごく納得した本でありまして。

この人、自分の主観を俯瞰で眺めてる人な気がします。むしろ自分自身に寄れない感じがする。
エッセイのなかで主張している偽善の勧めはものすごくわかる。
善意の人は時に独善に陥るというのもすごくよく分かる。
人が行動を起こすときは、100%自分のためであるので、あなたのために云々ってのはすごくうそ臭い。

人はしたいことしかしないのです。
究極に思える選択をしなければいけない時だって、
限られた選択肢のなかからどれが自分にとっての一番なのかを選んでいるのだ。
自分が損をして相手が得をするような行動を取ることもあろう。
けれどそれだって、自分がそうしたいからするのであって、そう考えたら自分のためなのだ。

私がいい気持ちになりたいからあなたに善いことをしますよ。
と宣言する事で平和になるってのはものすごく感じるところ。
人はただしてもらってばかりだとやっぱり落ち着かなくなるもので。
お互いに利益があってイーブンね。っていう前提は、健全な人付き合いのなかでは必須なのだと思うのです。

ああ私の物事の考え方や感じ方は松尾さんの物事の考え方や感じ方に似ているのだなと思ったのでした。

本当にさくっと読めるしお手軽なお値段なので、興味を持った人はぜひ。
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ふくすけ
11月 02日 * 00:29 * 松尾 スズキ *
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評価:
松尾 スズキ
白水社
¥ 1,995
(2002-10)
コメント:素晴らしい作品であり演劇。舞台で観た方がいい絶対。

戯曲です。

大人計画の主宰である松尾スズキが書いた奇跡的な作品。
この人の作るお芝居にはタブーな人しか出てこない。
この作品も然り。今まで観た作品のどれよりタブー満載でした。

冒頭から放送禁止用語祭り。
主要登場人物も、存在そのものが放送禁止な人ばかり。
普通に暮らしていて、無意識に目を背けているような人たちが大活躍するこの作品。

世の中のタブーばかりを寄せ集めたような登場人物。
世の中のタブーな人たちが繰り広げる、壮絶な悲劇と様々な愛のかたち。
どうしようもなく悲しくて、どうしようもなくおかしい。
その面白みがどうしようもなくかなしい。

ものすごいスピードとものすごいややこしさで、為す術もなく破滅に向かって一直線。
詰め込まれた情報量もすごく多いので、気を抜いてると物語に置いて行かれる。

カラッポな悲劇。カラッポな喜劇。
そういう空虚さが全体に漂う。そこに救いはないし夢もない。
明日いいことがあるって信じることが出来ない感じは、松尾作品に共通している諦観。
この空虚さがとても心にしみしみとする。


今まで観た松尾作品の中で、間違いなく一番二番に好きな作品。

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老人賭博
11月 01日 * 20:53 * 松尾 スズキ *
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評価:
松尾 スズキ
文藝春秋
¥ 550
(2012-08-03)
コメント:タイトルの印象と実際の中身が全然違う本。

老人賭博。だいぶ前から文庫化を待って待ってやっと文庫になったー!というタイミングで購入。
しかも買ったの忘れて舞台観に行った時にまた買っちゃったっていう。
そんなわけで我が家には、老人賭博が2冊あるのである。


薄い本なんですが。これすごく面白かった。
松尾さんの小説は温度が低くてテンションも低くて、なんていうか冷たい悲劇が多い気がするんだけど、
ってこれもきちんと言えてない。
夢も希望もありゃしない灰色の日常っていう感じ。
別に卑屈になってるわけでもないのだけれど、夢とか希望とかはなから諦めてる感じ。
そういう諦観が漂ってる作品が多い、と、私は勝手に思っているわけですが。

老人賭博は、なんだか演劇っぽかった。
賭博って言葉のイメージから(しかも老人)イメージしていた内容とは全然違ったよ。違ったよ。
松尾さんぽい重たさはないけれど、松尾さんっぽい笑いは随所に。


それがすごく面白くて、美容院でうっかり声出して笑ってしまいまして、大変恥ずかしい思いをしました。
「面白いですか?(キラキラ」みたいに話しかけられちゃってねもうね……。
もういいからほっといてください。私の読んでるものに興味を持たないでください。
本当に興味持ってるならいいけどそうじゃないじゃん?ね?
松尾スズキって言って「(´∀`*)??」みたいな顔されるのは想像がつくんです。
想像がつくけど言わざるをえないこの感じ。
案の定そんな顔されて、苦笑いでやり過ごしたり。なんだり。


でも面白いし薄い本だからみんな読むといいよ!
絶対声出して笑っちゃうから!

小説の舞台になった九州の田舎町は、多分松尾さんの生まれ故郷がモデルなんだろうなあと思って読んでいたら
解説でケラリーノ・サンドロヴィッチがそのような事を書いていたので「ああやっぱり」と思ったのでした。
松尾スズキのあの妙な諦観は、きっとこの生まれ故郷にルーツがあるんだろうなあ。

あの力の抜けた感じが私は大好きなのです。
不幸はその不幸が洒落にならなければならないほど、笑い飛ばすべきだ。
そういう重たい軽さが好きです。


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クワイエットルームにようこそ
05月 23日 * 19:50 * 松尾 スズキ *
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クワイエットルームにようこそ (文春文庫 ま 17-3)
クワイエットルームにようこそ (文春文庫 ま 17-3)
松尾 スズキ

小説は初。
彼の舞台は何本か見ていて、そこはかとなく惹かれる何かがあるのだけれど、小説もよかったなぁ。

「あたしはふつう」

っていう、何の根拠もないものにしがみついて、しがみついていなければ自分を保っていられない主人公。自分で自分が危ういことを理解しつつ、それでも認められなくなっちゃう主人公。
でも狂ってる人とそうじゃない人の間に明確な境界線はない。

最後の最後、自分が「うざい女」であることを認めるあたりからの流れが大変よかったです。
あつくはない。なんだろう、微熱。
最後は一緒に、なんか荷物を降ろした気分になれました。
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ギリギリデイズ
05月 23日 * 19:17 * 松尾 スズキ *
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ギリギリデイズ (文春文庫)
ギリギリデイズ (文春文庫)
松尾 スズキ

ウェブ日記を文庫化(その前にハードカバーにもなってる模様)したのがこの本。
実はウェブが元になってる本を買うのは初めて。

ちょっとした偏見があったりなかったりして手が出なかったのですが、面白かったです。


私の話になりますが、常日頃からなんとなく思っていることがあって。
「私って現実感ないよなぁ」
みたいなこと。


色々なことを頭で考えてるうちに、現実がどんどん遠のいていく感覚があるのですね。それでしんどくなっちゃって、実際の生活がグダグダになるという。


なんだか彼の日々のグダグダを読んでいて、「あ、皆そうなんだ。こっちの種類の人達は」なんて変な安心したりね。
「俺はしんどい。俺は辛い。辛いけれどこの辛いのなくなったらきっと作品かけなくなる」みたいなぼやきが出てくるんですけれど、これはまったくその通りだよ!おじさん!ってうなづいてしまいました。


うおーーーーーすげーーーーーーって思う作品って、つくった人の精神状態がぎりぎりの時だったり、すっごいしんどい時に書いてたり、ともかくも幸せそうじゃない時が多い。これは間違いないと思う。


その昔、真田広之がハムレット(だったかな…)を演じた時、ものすごく高い評価を得たんですね。実生活で離婚だーなんだーとごったごたして、いかにもしんどそうなその時期の真田は輝いていた…と言っていたのは、当時某情報誌で演劇担当していた方。


本の内容と、話がえらくずれたけれど、この本の面白いところは脚注がついているところ。脚注をつけているのは宮崎吐夢。
知っている人は知っていると思います。


「かーいこーくしーてくーださーい」


の、声をやっている人です。こんなサイトをやってます。
脚注の目線が、すごくなんていうかテレビのこちら側。
演劇がらみになると演劇の人。そんな感じの素敵な脚注がついています。


後半、不穏なうえに中途半端なところで本が終わるのですけれど、最後の最後に種あかし。こういうことを真面目にやれる大人って、すっごくいいなと思うのですが。…明らかにダメ人間の部類に入りそうだけれども。


ダメダーダメダーってぼやき続けてるんだけれど、不思議と癒される本でした。肩の力抜きたい時は、こういう方向性で力抜いてもいいんじゃない?っていう。


ウェブでノーギャラ前提で書いてる文章だけに、他の雑誌などでみるコラムとはまた違った一面が垣間見れます。ファンじゃなくても楽しめる、と、思うよ。マニアックだけど。出てくる話題。
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これぞ日本の日本人
05月 13日 * 01:19 * 松尾 スズキ *
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これぞ日本の日本人 (知恵の森文庫 b ま 1-4)
これぞ日本の日本人 (知恵の森文庫 b ま 1-4)
松尾 スズキ

松尾スズキが大好きです。
こんなおっさんが現れないかなと本気で思う昨今。
こんだけ面白かったら間違いなくプロポーズするのに。

面白い人っていうのは、面白いことを言う人じゃなくて、頭の中の回路が面白いって事なんだよ。

頭の中がこんなに面白いことにあふれてたら、痔持ちでも欝持ちでもなんでもいいや。
その人の生き様をずーっと隣で眺めて暮らしていたい。

こういうこと言ってるから、付き合う人がみんなある意味愉快な人なんだろうな。。。
寄ってくるのみならず、自分も寄っていくって事なんだろうな。。。


と、どうしようもないことに気づく。


ともあれお勧め。
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