本の記録
読書感想文。
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チェーン・ポイズン
11月 02日 * 22:21 * 本多 孝好 *
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久しぶりの本多孝好。

読んでいて「えっ」となって、終盤に前のほうを読み返しまして。。。
こういうことをするのは久しぶりでございました。

本多孝好は、死ぬことについてずっと考えているような作家さんという印象があります。
どの小説も死ぬことと生きることについて書いてある。
どれもそんなに派手ではないのだけれど、自分が生きていることと、自分も自分の周囲の人たちもいずれ死んでいくことについて思いを馳せたくなるような物語。

生きているって事は死んでいないっていう事で、
生きているって事はそういうふうにバランスを取っているって事なんだと思う。
案外どんな人間も、何かのきっかけで簡単に死ぬ方向にバランスを崩してしまうことってあるんじゃなかろうか。
大人だって子供だって、いつでもなにかしら複雑な思いを抱えて生きているものだと思うので。


本多孝好を私にオススメしてくれた人は、元気でやっているんだろうか。
もう6年も7年も前になってしまったことが少し信じられないけれど、あなたは元気でやっていますか。
きっともう部屋の隅で体育座りをして暮らしているようなことはないだろう、と勝手に決めつけています。



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WILL
11月 02日 * 08:22 * 本多 孝好 *
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「MOMENT」の続編にして、葬儀屋森野のターン。
MOMENTは葬儀屋の隣の文具屋の息子のターンであった。
MOMENTは死にゆく人たちを描いた作品(うろ覚え。だって何年前なんだ読んだの)で、
WILLは死んでしまった人たちと残された人たちのはなし。

「死者を眠らせる」ために森野は動く。
ものすごくとっつきづらい感じがするけど、不器用だけれどいいやつだ。森野。

両親を事故で亡くし、ひとりになってしまった彼女が再びきちんと前を向いて歩くまでの成長の物語でもある。
自分の痛みでいっぱいいっぱいになっている時には気づかなかったたくさんの自分を助けてくれる視線や手は、
実はいっぱいいっぱいになっている時にも助けになっていたし、それに気づいた後はもっともっと自分をしゃんとしてくれる。

商店街の人達はとっても優しくて、文具屋の息子もずば抜けて優しくて、
そういう人達に大切にされている森野はきっと、幸せなんだな。

人の気持ちが丁寧に綴られていて、それがよいお話です。
でもやっぱり、MOMENTを読んだ直後に読むべき作品のような気がします。
私もMOMENTを読み返したくなった。

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MOMENT
05月 23日 * 19:33 * 本多 孝好 *
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MOMENT (集英社文庫)
MOMENT (集英社文庫)
本多 孝好

とある病院には、死期の迫った患者の間にだけ立つうわさがある。
「死ぬ前にひとつだけ願いをかなえてくれる人物が現れる。」
その姿は、うわさにより黒衣の男だったり掃除夫だったりするのだけれど。

就職を控えた学生の主人公が出会う、死期の迫った患者たちのやりとりのひとつひとつ。
生きるってことはそれ以外のなんの意味もなくて、死ぬ事もそうなんだよなぁ。。。
ってような事を思ってしまいました。

軽い謎解き要素もあり、軽い恋愛模様もあり、青春って感じで楽しめます。
20代前半ゆえの甘さや、頭の柔らかさの描き方は素敵ですね。
私が目を奪われたのは、主人公の幼馴染の女の子。
いいですね。素敵なキャラクターです。

ちょっとずつ覗かせる女心がかわいい。
全編を通じて時折出てくる「女にはいつ追い抜かれて、男はいつ追いつくのだろう」というような主人公の台詞。かわいい。この疑問が解けるころ、大切な人が傍にいたりいなかったりするのでしょう。

色々な事を、少しずつ学びながら、色々な事を感じて分かっていくんだなぁ。というような、さわやかな小説でした。
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