本の記録
読書感想文。
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ユージニア
08月 23日 * 02:41 * 恩田 陸 *
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久しぶりの恩田陸。

実は何ヶ月か前にチョコレートコスモスを買ったんですが、3ページで「あ、これ読んだし!」って気づいたという。
チョコレートコスモスも面白い小説でした。

おそらくミステリー。ミステリーって最近は幅が広すぎて、なんだかよくわからないのですが。

25年前に、ある田舎町で起きた集団毒殺事件。
犯人も見つかって(しかし自殺している)解決したはずのこの事件について、当時の関係者から話を聞いて回るという趣向の小説です。
話はもう少し複雑で、事件の10年後に、当時小学生だった事件の第一発見者の女性が事件に関する本を出版しています。その小説と同じことをしている人がいるという設定で(最後にこの人が誰なのかが明かされるのですが)、なので物語の中で事件について語ってくれる人は15年前も同じように語ったということです。

非常に閉塞感あふれる世界。
私は田舎に住んだことがないのですが、田舎ならではの息苦しさを感じました。
それは例えば、このおうちには誰が住んでいてどんなお仕事をしていて、というようなことを住民のお互い同士がみんな知っているというような息苦しさ。

それとは別に、被害にあった家族の中で唯一の被害者であった女の子の常人離れしたカリスマ性。
住民で彼女のことは知らない人などいない、というくらいに有名な彼女。
この人の行動が謎めいていて現実離れしていて、どうにもこうにも難しい。

けれどこの小説は、理解出来ないということを理解する事も時には必要だという、
そういう物語なのです。
偶像と化した悲劇の少女は、その存在感ゆえにたくさんの人の気持を奪います。本人の望む望まないにかかわらず。

色々な視点で語られるし、伏線だの意味ありげな小道具だのたくさん出てきていて、なかなかこの小説の正解にはたどりつきそうにない。というか辿りつけない。正解に。
読了後、最後までもやっとしたまま終わったのがちょっと消化不良気味ですが、
小説としてはあのもやっとかんはとても大切なので、やっぱりバランスがよかったんだろうなと。
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蒲公英草紙
08月 28日 * 22:36 * 恩田 陸 *
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蒲公英草紙―常野物語 (集英社文庫 お 48-5)
蒲公英草紙―常野物語 (集英社文庫 お 48-5)
恩田 陸

一気に読了。
常野物語っていうシリーズだったのね、っていうのは読んだ後に知った話で。
夏らしい、8月らしい小説でした。
かなしい小説でした。
プロローグとエピローグと、本編のバランスが絶妙。
幸せだった頃の、子供から大人になる頃の、そんなときのお話。
幸せだった頃の本編から回想しているプロローグ、エピローグの地点までの間、この人はどういう人生を送ったのかがわかりすぎて切ない。

エピローグの時代から、今私たちが暮らしている現在までも短いとはいえない時間が流れてるわけだけれど、今現在の私たちを取り巻く状況と彼女の状況はとても似てる。と、思った。
それでも人はなんとかやってきたじゃない、とも、また同じことを繰り返すのかしら、とも思ったりするけれど。

色々むむーっと考えてしまった小説でした。

でも、八方塞なんてないんだよ。どっかに必ず抜け道はある。きっと。

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