本の記録
読書感想文。
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キケン
07月 07日 * 22:31 * 有川 浩 *
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ここ最近、きゃああああ!よみたああああい!と思う小説が次々と文庫化していまして。
週末はつい本を読みふけってしまいがちです。

有川浩のキケンは有川浩が描く男の子青春記。
女性視点の男の子の青春。
男の子の青春って言えば私の中ではゾンビーズ(金城一紀)が一番だと思っているのですが、
どちらも共通点は素敵なバカ。褒め言葉ですもちろん。
男性目線の男の子も女性目線の男の子も、なんというかすごくシンプル。
女子の青春だとここまでシンプルにならないよなあ。と思うのです。

女からするとゼッタイに踏み込めない男子の聖域みたいなものを描いた小説でございました。
有川浩だなあ。としみじみするような文章もまた、醍醐味の一つかと思います。

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県庁おもてなし課
05月 09日 * 08:31 * 有川 浩 *
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有川浩のぶっ飛んでない方の小説。
映画化のタイミングで文庫化したのかなーという感じで、明日から封切られますね映画。
映画も観に行く気満々なのだけれど、先に小説を。こういうのってどっちを先に…って毎回迷う。

で。小説の舞台は高知、県庁にある発足したばかりの「おもてなし課」。
観光地として「外貨」を稼ぐために一生懸命頑張る県庁職員が主人公。

有川浩の小説らしく「きゃー」って言ってしまいたくなるような恋愛要素もしっかりと入っています。

民間人の側から、お役所のダメなところをこれでもかこれでもかと叩かれ突っつかれて、
おもてなしをすることってどういうことなのかを気づき、学んでいく主人公。

私は昔、市場で働いていたことがあります。
市場ってものすごく独特な世界なんですね。あそこだけの常識があって、目に見えないルールみたいなものがある。
けれど市場の人達はその世界しか知らないから、市場の外と中のズレに気づかない。

なんかそういうことを思い出しながら読み進めました。

小説の中には高知のいいところいっぱい。読んでいて「いいなーいきたいなー」と思ってしまう。
東京からだとすごく遠いのですが。

自分の持っているものは当たり前すぎて、その価値に気づきづらい。
これは観光資源に限った話ではなく、県という大きなものに限った話でもない。
みんな自分のことはわかりづらい。
それを発見するのに必要なのは、外の人との関わりと想像力だと思います。
他人に対して思いやりを持って接すると、お返しのように自分の持っている特別なものに気づいたりする。
相手の立場に成り代わって世界を見つめなおすことは、自分の世界にもうひとつ新しい視点を持つきっかけになる。
その視点の数の多さがその人の持っている世界の広さだと思う。

高知県出身の人気作家吉門と県庁おもてなし課の掛水は、お互いがお互いの視点に立ってみて、
お互いの世界を広げて成長していく。

私は生まれも育ちも両親の田舎も東京という、東京で土着して生きている人なので田舎のことがよくわかりません。
東京は便利だと言われても、その便利さがいまいちピンとこない。
しかし、旅行に行った時に自分の中で当たり前になっている便利に気付かされることはけっこう多いわけです。
私は財布の中身をあんまり気にして生活していません。お金なんていつでもどこでも銀行から下ろせるから。
去年旅行に行った時に、それでえらい目に遭いまして。。。
東京の「近所」の感覚と田舎のそれは距離感がだいぶ違うっていうのも旅をして実感するところ。

だから都会がいいとか田舎がいいとかそういう話ではなく、そういう特色の違いを認識することが大事なんだろうなと思う。

東京に住んでいると「いいよねえ」って言われがちなんです。
確かに都会のいいところってたくさんあると思うのです。
そもそも私は演劇みたいな都市型芸術が大好きなのでして、やっぱり地方にいるとそういうものに接する機会は格段に減るのですよね。演劇は生身の人が目の前で演じる芸術ですから、どうしても都会にいないと恩恵に預かれない。
けれどおそらく、「いいよねえ」の言葉の先に消える「都会の人間は…」的なネガティブなアレをぶつけられる時の気持ちは、私みたいな東京が地元な人にしか分からない。

東京って「ほんっと東京の人って冷たい」みたいな感じで堂々とバッシングされがちなのです。
東京が地元の人達にとって、それは故郷をけなされている事になり、そういう言葉を聞くとやるせない気持ちになるのですけれどね。

話が読書とだいぶずれた……!

私は作家の吉門君のキャラがとっても好きです。
なんだこいつかわいい……!
作中、掛水が吉門について「人たらし」と言いますがこの表現に思わず笑ってしまった。

民間とお役所。
常識も立場も違うけれど、彼らはみんな高知を愛している。
高知によりよくなってほしいと思っている。
その感じがなんだかほんわかして暖かくなる、そんな小説でした。

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植物図鑑
01月 28日 * 21:13 * 有川 浩 *
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ずるい。

読む人を選ぶ小説だと思います。
かなりの恋愛小説でございます。植物もいっぱい出てくるけれど、そしてそれがとても楽しくはあるのだけれど、でもこの小説はベッタベタの恋愛小説。しかも有川浩なのである。かゆいの。シロツメクサのお花畑なの。

奇しくも物語中に、シロツメクサが出てきます。さらに花かんむりまで出てきます。
いい大人が同居中の男の人に片思いをしながら、ドキドキしつつ花かんむりなのです。痒い。
しかし、こういうのが大好きな人にはきっとたまらない小説です。

私はいい年こいて、心のなかに女子中学生を飼っているような乙女でございまして(自分の痛さは自分で一番わかってると思う)、だからこそこの話はビンゴなのだけれどその私をもってしても若干「ひゃー」となる描写がちらほら。
そういうのに耐えられる人にしかおすすめできない(断言)。

読み始めた頃から物語の結末はなんとなく想像がついていて、途中で出てくるいくつかの伏線も思った通りではありました。しかし奇抜なだけが小説の面白さじゃあないんだ。
唯川恵の失恋小説を読んだ時にも似た感じを味わった、生々しい喪失感をたっぷりと疑似体験させていただきまして。
さらにその後に続く想像通りの展開に、ほっとしつつも「くっそうこの幸せものめ」と羨ましくなってしまうのもまた事実。

失恋した時に人は、「とっとと忘れちゃえ」とか言いますがある程度大人になれば、忘れたほうがいいのなんて誰に言われるまでもなく分かってることなのです。それでも忘れられないのが失恋の喪失感の辛いところなのだと私は思う。
無理に方向転換しようと思わなくていい。離れたのが相手の勝手なら、未練がましく待ち続けるのだって自分の勝手だ!と前向きに失恋の悲しみに浸かるのも悪いことではないと思う。
しかし、そういう失恋の果てに訪れるのはたいていこの小説のような結末ではなく、本当の別れだったりする。
たとえばこのお話がそういう方向に進んだとしても、きっと彼女はいずれかのタイミングで方向転換をする。
何かを諦めるまでにかかる時間は、ケースバイケースだし人それぞれだと思う。
だから、失恋したら思う存分前向きに未練を振り回していいと私は思っている。

まあ、現実はそうそううまくいくものじゃないから、せめて物語の中でだけでも……という気持ちと、物語の中でもこんな幸せな出会いをした彼女らを羨む気持ちと、乙女心は複雑に静かにざわざわ真っ最中なのですが。
本当にこの人の小説はいい年した乙女の心を揺さぶるのがうまくて困る。



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シアター!
11月 04日 * 20:29 * 有川 浩 *
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シリーズもので、まだ完結してない。完結してから読めばよかった。
いや、面白かったです。潰れかけの小劇場が活躍する話。

ああ、あらすじが大雑把すぎますか。

演劇の世界にちょこっとだけいた私のような人が読んでも、
思わずうなづいてしまうほどの演劇業界、演劇っていうか小劇場業界。
なんでビジネスとして成功しないの?というところにもう少し言及してって欲しいなーと思ったのです。

素敵なお芝居を見たら、とりあえず何か物販を買ってあげましょう。

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三匹のおっさん
11月 02日 * 22:28 * 有川 浩 *
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相変わらずハズレのない面白さです。
還暦を過ぎた「おっさん」3人。彼らは幼馴染で元悪ガキ。
そんな元悪ガキが、大人になって地元限定正義の味方になるというお話。

おっさんたちが揃いも揃ってめちゃくちゃ強いのが気持ち良い。
そのおっさんの活躍ぶりを目の当たりにして、本当にかっこいいことに目覚めた孫。

この孫がさり気なく優しくて、非常に気が効くよい子なのです。

様々なことを、人から聞いて自分に当てはめて、色々と他人の気持ちを慮ることができるようになるんだろうなあ。
そして、中身のないものは、恋愛でも映画でも何でもかんでも、すぐに廃れてあきられてしまうんじゃないかな。

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ラブコメ今昔
11月 02日 * 07:44 * 有川 浩 *
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評価:
有川 浩
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 620
(2012-06-22)


クジラの彼なシリーズの続編って感じの扱いになるんだろうか。有川浩の自衛隊恋愛小説短篇集。

この方の描く恋愛はなんというか、ドロドロとかそういうのがなくてすごくよいのです。
しかしこのシリーズ、自衛隊の恋愛がテーマなので一般的な恋愛小説とはだいぶ違います。
彼らの仕事は国民の安全・安心のために命を張る仕事で、有事の時には家族や自分の大切な人は二の次になってしまう。

本当は二の次になるのでなく、大切な人も含めて皆を助けるために働く人たちなのだけれど、
好きな人が死んでしまうかもしれない危ない場所に行ってしまうだとか、
海の上で訓練が始まったら何ヶ月も連絡がつかないだとか、
異常に過酷な状況が彼らの未来に待ち受けている。

昨年の大震災の折に、自衛隊がとっても脚光を浴びました。
有事の時に頼りになる存在って本当にカッコイイと思う。
けれどその中に自分も飛び込むには、かなりの勇気がいることだなあと思ったりしたのでした。
この場合の飛び込むは、恋愛小説なので「自衛官の妻」や「自衛官の彼女」みたいな意味合いですが。

ともあれ、全体的に読んでキュンキュンしてしまったり、泣いてしまったりいつだって有川浩の小説を読んだら私の心は大忙しなのであります。
大変おもしろい小説でした。

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フリーター、家を買う
11月 02日 * 07:30 * 有川 浩 *
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いつもの感じよりとても地味で現実感があって暗め。
どちらかというと阪急電車に近いのかなー。という感じ。

自衛官や図書館のように、自分には身近ではない世界の事を描いている小説もとってもスキです。
けれどこういうふうに、もろに現実現実した小説も好きだ。

フリーターのすねかじりな主人公が、母の病気を機にしっかりとしたオトナになっていく様が見事に描かれている。
相変わらず取材すごいです。私は就職活動というものをしたことがないのだけれど、
就職するって大変なんだなぁ。としみじみしてしまった。

有川浩の小説は、読み終わったあとで「あーがんばろう」って気分になるのでとても好きです。
出てくる登場人物が例外なく魅力的なのも。
なかなかいい物を読みました。あー楽しかった。

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