本の記録
読書感想文。
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死ねばいいのに
12月 26日 * 01:49 * 京極 夏彦 *
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京極夏彦の小説は、百鬼夜行シリーズ読破しているわけですが……このブログに感想文がひとつもなかった事に驚きが隠せない。
スコーンと飛んじゃってるようですが、京極先生の小説は好きです。
百鬼夜行シリーズは3ヶ月くらいかけて一気に読みました。とっても楽しかった。

で。この小説には妖怪は出てこないのです。怪奇現象もないのです。

「死ねばいいのに」

と、唐突に言われたら普通、ひとはどんな反応をするでしょう。
「何言ってんの?」とかそんな感じになるんじゃないでしょうか。
物語に登場する人たちは、皆それぞれに悩みや鬱屈した気持ちを抱えている。
「アサミさんについて教えてください」と聞かれる登場人物は、アサミのことを語るふうにみせかけて今までの自分の人生について滔々と語り出すわけです。不満だらけの、愚痴だらけの半生を。

で、そこに唐突に「死ねばいいのに」と言われる。
1人、2人、3人と続くこのやりとりはちょっと痛快ですらあるのだけれど、最後の6人目でその感覚がひっくり返される。下手なホラーよりよっぽど怖い小説でした。

「死ねばいいのに」という言葉は「死ね」よりも消極的な響きがありますが、その分無責任な言葉でもある。
この無責任な消極さがすごくこわい……と感じた小説でございました。

基本的に主人公との1:1の会話劇です。この形式でここまでぐいぐい読ませる京極先生の文章力にも脱帽。


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