本の記録
読書感想文。
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虐殺器官
01月 12日 * 23:28 * 伊藤 計劃 *
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ずーっと食わず嫌いしていて、気になるけど手にとることのなかった伊藤計劃。
kindle版がお買い得だったのもあって、ポチりました。
思ったよりずっと読むのに時間がかかったけれど、思ってたよりずっと面白い小説でした。

著者の伊藤計劃氏は、このあともう一冊の本を書いたあと亡くなってしまいました。
彼の早すぎる死を残念がる声はあちこちで目にしました。本当にそう思います。


私達が生きているこの生命は、無数の自分以外の命の犠牲の上に成り立っている。
便利で廉価なサービスが使えるのは嬉しいけれど、少し想像力を働かせてその裏側でそのサービスを提供している側の人たちのことを考えると薄ら寒くなる気持ちがする。
だからといって覚えた便利なサービスを今更手放すのはとても大変なことで、今の私にはおそらくできない。

あなたたちの今の暮らしは、これだけの数の犠牲の上に成り立っているのだ。という事実を知る必要性と、
そんなことは知らずに今の暮らしを満喫する、その平和な感じ。

ここに一つの罪があったとして、その罪の意味を知らなければ罪を犯した人は反省することができない。
無自覚や無知は一番大きな罪だと私は思っています。

主人公と、主人公が追いかけ続ける相手は同じ物事への責任を、まったく違った方法で償う。

虐殺器官とはなんなのか、どういうことなのか、それはこの物語の一番面白いところなのでここでは触れません。

今の自分の暮らしの下に、見えないところに、どれだけの犠牲が埋もれているのか、そのうえで自分はどういう心持ちで生きていくのか。
そんなことをなんとなく考えてしまいました。
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