本の記録
読書感想文。
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八日目の蝉
05月 14日 * 01:43 * 角田 光代 *
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映画は少し前に観ました。小説は映画まで我慢した感じ。
映画は結構しっかり原作に忠実に作っていたのだなあ。

物語は二部構成。
攫ってしまう女の物語が一部で、攫われた娘の話が二部。

母ってなんなのか、親ってなんなのか。
そういうことを描いている小説だと思いました。

血の繋がりよりも一緒に過ごした時間と記憶。
生まれてから3年の間に、子供は親に産んでくれた恩を返すとかも言います。
一番かわいい時期なんだよね。3歳まで。
実際ものすごく手はかかるし、人というよりは獣だし、言葉も通じないしでタイヘンなんだけれど。
でも、あの時代の可愛さは何物にも代えがたいものがあると思う。

誘拐されてしまった側から考えると、これはもう本当に大変な話だと思うのです。
4歳になった娘は、娘だけれどものすごく心の距離が遠いのだから。

「自分を誘拐したあの女のせいで自分と自分の家族はめちゃくちゃになった」

と、断言する娘が、それでも最後に見つけた真実はとっても大切なものだと思う。

「なんで私なの?」

という言葉の裏側には、自分が特別だという感情がある。
けれど、その特別意識に囚われているうちは何も変われない。
色々あるし、人によってその色々の重さもしんどさも違うけれど、
でも、みんなそれぞれ自分だけのしんどさを背負っているんだと私は思うのです。

色々な方面から、ひたすら母親について描かれていて、色々なことを考えながら一気に読んでしまいました。
私は数年前に通り越した境地だけれど、親に対して家族に対して、何か思うことのある人は、
その思うところについて考えなおすいいきっかけになる小説なのかもしれません。



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