大変おもしろい小説でございました。
救急隊員のお話なのですが、取材をきっちりされて書く方のようで。
救急車や消防車のことがよくわかります。中で働いている人のことも。
救急車がジャックされて大騒ぎ!という娯楽小説です。
だから、ところどころ腑に落ちないところがあっても問題ないのです。
娯楽作品に過度のリアリティを求めるのはよくない。
これは娯楽作だと思って読んでほしい小説。
映画化しないかなあ。。。
このシーンはぜひ映像で観たい!と思うような描写がいくつかありました。
登場人物のキャラもきちんと立っていて、読んでいて気持ちがいい。
特に主役の生田はとってもいいキャラだなあ。
どうやら消防隊主役の別シリーズがありそうなので、そっちも読んでみようかなとおもいます。
ラスト、「どうしてそこまでこだわるの?」っていうところの理由付けがあまりに弱い感じはしましたが、
その他の肉付けが素敵なのでまあよい。
できればもう少し、救急車ジャックした犯人サイドの人物像の掘り下げがあったらよかったなあとは思う。
消防隊員になりたいなんて思って本当になるのは頭のおかしい奴らなんだ。
という台詞がありまして。
確かに、災害の折に必死になって被害者を助ける救急隊員やレスキュー隊員はとってもかっこ良いし、
素敵だなあとは思うのだけれど、実際自分がやってみろって言われると「それはちょっと」ってなる職種だと思う。
普段から欠かさずトレーニングし、体を鍛え、有事に備えている。
何か起きたら自分の命を危険にさらして、その場にいる人を助ける。
ものすごく大変なお仕事だと思います。
ものすごく大変だからこそ、現実的に考えた時にはその職種は対象外になっている。みたいな。
しかもこのお仕事、自分で「消防士さん・救急隊員さんになろう!」と思わなければなれない仕事です。
物語に出てくる救急隊員の、仕事に対する姿勢には頭が下がる思いです。
自分のしごとに誇りを持って働いてる人は本当にかっこいいなあ。。。
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